ワイ(神)、今日も天界でひまを持て余しとったんや。人間界をちょっとイジって遊ぼうかなと思うたんや。
「そうや、アルファオスとチー牛の中身入れ替えたろ!」
ワイ(神)、ニヤリと笑って指をパチンと鳴らす。
まずは、アルファオスこと鈴木雄二(28歳)。
身長185cm、体重78kg、筋肉質の体型。顔はイケメン、髪はナチュラルパーマ。大手商社のエリート社員で、年収は既に2000万円。
女にはモテモテ、男からは羨望の眼差しを向けられる存在。
一方、チー牛こと佐藤一郎(28歳)。
身長165cm、体重58kg、やや痩せ型。顔は特徴的なチー牛顔、髪はパッツン前髪。中小企業のシステムエンジニアで、年収は350万円。
女にはモテず、男からも存在を無視されがちな存在。
「よっしゃ、入れ替えたろ!」
ワイ(神)、再び指をパチン。
次の瞬間、鈴木雄二の意識が佐藤一郎の体に、佐藤一郎の意識が鈴木雄二の体に入れ替わった。
まずは、鈴木雄二(元アルファオス)の目覚め。
「ん...なんや、体が妙に軽いな...」
鏡を見て絶叫。
「うわあああ!なんやこの顔!このショボい体!」
パニックになる鈴木。しかし、時計を見て我に返る。
「やべっ、仕事遅刻する!」
慌てて服を着るが、クローゼットの中身は地味な服ばかり。
「こんなんしか無いんかい...」
しぶしぶポロシャツとチノパンを着て、会社へ向かう鈴木。
電車の中、いつもなら注目の的なのに、今日は誰にも見向きもされない。
「なんやこれ...透明人間になったんか?」
会社に着くと、さらなるショックが。
「お、佐藤君。おはよう」
部長に軽く会釈されただけ。いつもなら「鈴木君!」と大声で呼ばれるのに。
仕事も、単純作業ばかり。
「これ、本当に俺の仕事か?」
一方、佐藤一郎(元チー牛)も目覚める。
「うっ...体が重い...筋肉痛か?」
鏡を見て驚愕。
「えっ!?俺、イケメンになってる!?」
クローゼットを開けると、高級スーツがズラリ。
「うおお...こんなの着てもええんか?」
ウキウキしながら出勤する佐藤。
電車の中、周りの視線を感じる。
「なんや...みんな俺見とるんか?」
会社に着くと、さらなる衝撃が。
「おはようございます、鈴木部長!」
社員たちから挨拶の嵐。
「え?俺が部長?」
戸惑う佐藤だが、なんとかこなしていく。
そして、昼休み。
元アルファオス(鈴木)は、いつもの美人OLに声をかけてみる。
「あの、一緒にランチどう?」
「えっ...佐藤さん?ごめんなさい、約束あるので...」
見事にフラれる。
一方、元チー牛(佐藤)のもとには、
「鈴木さん、よかったらランチご一緒しませんか?」
美人OLから誘いが。
「え?あ、はい...」
戸惑いながらも、豪華なランチを楽しむ佐藤。
仕事終わり、元アルファオス(鈴木)は、いつものバーに寄ってみる。
「いらっしゃいませ...あれ?新しいお客様ですか?」
常連だったのに、バーテンダーに認識されない。
一方、元チー牛(佐藤)は、
「いらっしゃいませ、鈴木様。いつもの席をご用意しております」
VIP待遇を受ける。
家に帰った二人、それぞれ天を仰ぐ。
元アルファオス(鈴木)「くそっ!神様!なんでこんなことするんや!」
元チー牛(佐藤)「神様...ありがとうございます...でも、これ夢やないですよね?」
ワイ(神)、二人の反応を見て爆笑。
「おもろいなぁ。もうちょい続けたろ」
そして、一週間が経過。
元アルファオス(鈴木)は、徐々にチー牛の生活に適応し始める。
「くそっ...でも、俺にはまだ能力が残ってる。這い上がってやる!」
仕事で成果を出し始め、少しずつ周りの評価が上がり始める。
一方、元チー牛(佐藤)は、アルファオスの生活を満喫しつつも、
「なんか...虚しいな。みんな俺の外見しか見てへんような...」
と、違和感を覚え始める。
一ヶ月後、さらに変化が。
元アルファオス(鈴木)は、チー牛の体で頑張り続け、周囲の信頼を勝ち取り始める。
「佐藤君、君に次のプロジェクトのリーダーをお願いしたい」
上司から重要な仕事を任される。
恋愛面でも、
「佐藤さん、実は前から気になってて...」
地味だけど優しい女性から告白される。
一方、元チー牛(佐藤)は、
「鈴木さん、最近なんかおかしくないですか?」
周囲の信頼を失い始める。仕事のミスも増え、
「鈴木君、最近調子悪いのか?」
上司から心配される始末。
恋愛面でも、
「鈴木さん、私たち合わないと思うの...」
付き合っていた彼女にフラれる。
ワイ(神)、この状況を見てニヤリ。
「なかなかおもろいことになってきたな」
そして、半年後。
元アルファオス(鈴木)は、チー牛の体で会社の中堅として認められ、幸せな恋愛もスタート。
「見た目は関係ない。中身が大事なんや」
と悟りを開く。
一方、元チー牛(佐藤)は、アルファオスの体で転落の人生を歩み、
「外見だけじゃダメなんや...」
と気づき始める。
ワイ(神)、ついに決断する。
「よっしゃ、そろそろ元に戻したろか」
指をパチンと鳴らすワイ(神)。
二人の意識が元の体に戻る。
元アルファオス(鈴木)「あれ?俺、元の体に...でも、もう見た目なんて関係ない」
元チー牛(佐藤)「え?元に戻った...けど、俺、変わらなアカンな」
ワイ(神)、満足げに微笑む。
「ようやっとったな、お前ら。人生は見た目やなくて中身が大事やで」
そして、天界に戻ろうとするワイ(神)。
ふと思いつく。
「次は誰をイジろかな~」
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