ワイは典型的なチー牛や。黒縁眼鏡にM字ハゲ、いつもチーズ牛丼を食いながらアニメ鑑賞。そんな毎日を送っとったんや。

ある日のこと、ニュースを見てたら、都知事になったあかねちゃんが何やらデジタルクーポンを配布するって言うとる。

「都民の皆さん!このデジタルクーポンで、素敵な出会いを見つけてください!」

あかねちゃんの言葉に、ワイは思わず「はぁ?」って声出てもうた。だって、ワイみたいなチー牛に出会いなんかあるわけないやん。

でも、まあクーポンはタダやし、使わん手はないよな。ってことで、ワイもスマホにアプリをダウンロードしたんや。

使い方は簡単やった。好きな店を選んで、クーポンを使うだけ。ワイは迷わずアニメイトを選んだで。

アニメイトに着いたら、めっちゃ人おるやん。みんなクーポン使いに来とるんやな。ワイは人混みをかき分けて、目当ての新作フィギュアコーナーに向かった。

そしたら、ワイの前におる女の子が、ワイが欲しかったフィギュアを手に取ろうとしとる!

「あかん!それワイが買うつもりやったんや!」

思わず声に出てしもうた。女の子はビックリした顔でワイを見た。

「え?ごめんなさい。あなたが欲しかったの?」

その瞬間、ワイは息を呑んだ。だって、その子めっちゃ可愛いねん!金髪のロングヘアに、大きな瞳。まるでアニメから飛び出してきたような美少女や。

「あ、いや...そんな...」

ワイは顔を真っ赤にして、言葉を詰まらせてもうた。

「私、アスナっていうの。この子、SAOのアスナのフィギュアでしょ?私と同じ名前なの。だから欲しかったんだけど...」

「えっ!?アスナちゃん!?SAO好きなん!?」

ワイの驚きの声に、アスナちゃんは嬉しそうに頷いた。

「うん!大好き!」

そこからワイとアスナちゃんは、アニメの話で盛り上がってもうた。気づいたら2時間も経っとって、店員さんに閉店を告げられるまで話し込んでしもうたんや。

「ねえ、また会えたらいいな」

別れ際、アスナちゃんがそう言うてくれた。ワイは思わず頷いて、LINEを交換したんや。

それから、ワイとアスナちゃんは頻繁に連絡を取り合うようになった。アニメの話はもちろん、日常のことも色々話すようになってん。

ある日、アスナちゃんから「今度の休み、一緒にどこか行かない?」ってメッセージが来た。ワイは飛び上がるくらい嬉しかったで。

デートの日、ワイは朝から緊張しまくり。髪の毛セットしたり、服選んだり...今まで気にしたことなかったことに必死になっとった。

待ち合わせ場所に着いたら、アスナちゃんがもう待っとった。可愛すぎて、ワイの心臓バクバクや。

「ねえ、このクーポン使ってみない?」

アスナちゃんが見せてくれたんは、あかねちゃんのデジタルクーポンや。ワイらは、そのクーポンを使って水族館に入った。

イルカショーを見たり、ペンギンに餌をあげたり...アスナちゃんと一緒やと、何でも楽しくなるんや。ワイは、こんな幸せなことってあるんやなって思た。

帰り道、アスナちゃんが急に立ち止まった。

「ねえ、私ね...あなたのこと好きになっちゃった」

ワイは耳を疑った。こんなチー牛のワイのことを、アスナちゃんが好きになってくれた?

「ワイも...アスナちゃんのこと好きや」

そう言うて、ワイらは手を繋いだ。その瞬間、ワイの人生が変わった気がしたんや。

それから、ワイは少しずつ変わっていった。アスナちゃんと会うために、身だしなみに気を使うようになったり、新しいことにチャレンジするようになったり。

チーズ牛丼も好きやけど、アスナちゃんと一緒に色んな料理を食べるのも楽しくなってきた。アニメだけやなくて、外の世界にも興味が出てきたんや。

半年後、ワイは髪型を変えて、コンタクトにして、ジムにも通い始めた。アスナちゃんは「あなたの好きなところは変わってないよ」って言うてくれるけど、ワイはもっといい男になりたいって思うんや。

ある日、ワイらは都庁の展望台に行った。そこで、偶然にもあかねちゃんに会うたんや。

「あら、若いカップルさん。デジタルクーポン、活用してくれてる?」

ワイらは、デジタルクーポンのおかげで出会えたことを伝えた。あかねちゃんは、めっちゃ喜んでくれたで。

「素晴らしい!これこそが、私が目指していた東京の姿なのよ。人と人とのつながりが生まれる街」

あかねちゃんの言葉を聞いて、ワイは思た。ワイらの出会いは、たった一枚のデジタルクーポンから始まったんや。でも、それがワイの人生を大きく変えた。

今じゃ、ワイはもうチー牛なんて言われへん。アスナちゃんと一緒に、新しい自分を見つけていってる。これからも、もっともっと成長していきたいって思うんや。

そして、いつかアスナちゃんに、胸を張って「結婚してくれ」って言えるような男になりたい。それがワイの新しい目標や。

あかねちゃんのデジタルクーポンは、単なる経済対策やのうて、人生を変えるきっかけになったんや。ワイにとっては、新しい人生の始まりやった。

これからも、アスナちゃんと一緒に、たくさんの思い出を作っていきたい。そして、いつかワイらの子供に、このデジタルクーポンの話をしてあげたいなって思うんや。

「パパとママはね、たった一枚のクーポンで出会ったんやで」

そんな風に語れる日を夢見て、ワイは今日もアスナちゃんと手を繋いで歩いとるんや。

人生って、ホンマに分からんもんやな。チー牛のワイでも、幸せを掴めた。これからは、もっと多くの人に幸せが訪れますように。あかねちゃんのデジタルクーポンみたいに、小さなきっかけが誰かの人生を変えるかもしれんのや。

ワイの話は以上や。みんなも、自分の「デジタルクーポン」を見つけて、幸せになってほしいわ。それじゃ、またな!



小説なら牛野小雪がおすすめ【10万ページ以上読まれた本があります】

牛野小雪の小説season3
牛野小雪
2023-10-25