ワイ、今日も元気に目覚めるンゴ。でも、なんか変な感じがするんや。ベッドから起き上がると、部屋の隅っこに見慣れん物が置いてあるんや。
「なんやこれ...槍?」
そう、ワイの部屋に突然、槍が出現しとるんや。しかも、ただの槍やなくて、なんかオーラ出しとるみたいな感じの槍や。
「まぁええわ、気のせいやろ」
ワイは肩をすくめて、いつも通り会社に向かうンゴ。
道中、なんか周りの人間がワイをチラチラ見てくるんや。
「なんやねん、ワイの顔になんかついとるんか?」
鏡を見ても特に変わったところはないんやけど、みんなワイを見て驚いたような顔をしとるんや。
会社に着くと、同僚の田中がワイに声をかけてきたんや。
「おい、お前...それなんや?」
「ん?なにが?」
「お前の背中についとる槍やで!」
ワイ、驚いて振り返るんやけど、背中には何もついてへんかったんや。
「何言うとんねん。ワイの背中、普通やで」
田中は首を傾げるんや。
「いや、お前の背中にデカイ槍がぶっ刺さっとるんやけど...」
ワイは田中が冗談を言うとるんやと思って、仕事を始めるんや。でも、一日中みんながワイを見て驚いとる様子が気になってしもうたんや。
仕事が終わって帰ろうとしたら、上司に呼び止められたんや。
「君、ちょっと来てくれないか」
会議室に入ると、上司が真剣な顔でワイを見るんや。
「実は君の背中に刺さってる槍のことなんだが...」
「え?上司さんにも見えるんですか?」
「ああ、社員全員に見えてるんだ。君、本当に気づいてないのか?」
ワイは混乱するんや。みんなに見えて、ワイにだけ見えへん槍?なんやそれ。
「もしかして、これ社員のストレス解消ドッキリとかですか?」
上司は首を振るんや。
「いや、これは冗談どころの話じゃない。君の人生が...投げ槍になってるんだ」
ワイ、意味わからんくて笑いそうになるんやけど、上司の顔が真剣すぎて笑えへんかったんや。
「じゃあ、どうすればええんですか?」
上司は深刻な顔で言うんや。
「それがわからないんだ。こんなケース、聞いたことがない」
ワイは頭を抱えるんや。なんやねん、この状況。
家に帰る途中、街中の人がみんなワイを見て驚いとるんや。子供が指差して「ママー、あの人の背中に槍が刺さってるー!」って言うとるのも聞こえてきたんや。
家に着いて、さっきまで部屋にあった槍を見ると、なんと槍が消えとるんや!
「やっぱりワイの背中に刺さっとるんか...」
ワイは鏡の前で背中を確認するんやけど、やっぱり何も見えへんのや。でも、なんか背中が重たい気がするんや。
その夜、ワイはネットで「背中に槍が刺さる」で検索してみるんや。すると、驚くべきことが分かったんや。
世界中で、ワイみたいに突然背中に槍が刺さったように見える人が増えとるらしいんや。しかも、その人たちの人生がどんどん悪くなっていくんやって。
「まじかよ...ワイの人生、これからどうなるんや...」
翌日、会社に行くと、なんとワイの机がなくなっとるんや。
「あの、ワイの机...」
総務部の人が申し訳なさそうに言うんや。
「すみません、槍を持った人は社内で働けないという新しい規則ができまして...」
ワイ、絶望するんや。仕事なくなったらどうすんねん。
街を歩いていると、同じように背中に槍が刺さったように見える人たちと出会うんや。みんな同じように仕事を失ったり、家族に捨てられたりしとるらしいんや。
「なんでこんなことになってもうたんや...」
ワイたちは集まって、この状況をどうにかしようと話し合うんや。でも、誰も原因も解決方法も分からへんのや。
そんな中、ワイたちの噂を聞きつけた怪しい男が近づいてくるんや。
「お前ら、その槍を消したいか?」
ワイたち、藁にもすがる思いでその男の話を聞くんや。
「実はな、その槍は別の世界の存在が、お前らの人生を操るために刺したもんなんや」
「はぁ?別の世界の存在?」
男は続けるんや。
「そうや。お前らの不幸を糧にして生きとる奴らがおるんや。その槍は、お前らの不幸をより効率的に吸い取るための道具なんや」
ワイたち、もう訳分からんようになってきたんや。でも、他に頼るもんもないし、この男の言うことを信じるしかないんや。
「じゃあ、どうすればええんですか?」
男は不気味な笑みを浮かべるんや。
「簡単や。別の世界に行って、槍の主を倒せばええんや」
ワイたちは顔を見合わせるんや。別の世界に行くなんて、そんなん無理やろ...
でも、男は言うんや。
「お前らの背中の槍が、別の世界への扉になるんや。信じて飛び込むんや」
ワイたち、もう藁にもすがる思いや。みんなで手を取り合って、背中の見えない槍に向かって飛び込むんや。
「うおおおおお!」
目を開けると、ワイたちは見たこともない世界におるんや。空は赤く、地面は紫色。奇妙な生き物が飛び回っとる。
「ここが...別の世界?」
そして、遠くに巨大な城が見えるんや。
「あそこや!槍の主はあの城におるはずや!」
ワイたちは恐る恐る城に向かうんや。途中、奇妙な生き物に襲われたりもするんやけど、なんとか城にたどり着くんや。
城の中に入ると、巨大な玉座に座った得体の知れない存在がおるんや。
「よく来たな、哀れな人間どもよ」
その声を聞いた瞬間、ワイたちの背中の槍が激しく振動し始めるんや。
「お前らの不幸は実に美味いぞ。もっと苦しめ!」
ワイたち、怒りに震えるんや。
「返せや!ワイらの人生返せ!」
ワイたちは必死に戦うんや。槍の主は強かったけど、ワイたちの数のほうが多かったんや。
激しい戦いの末、ついに槍の主を倒すことができたんや。
その瞬間、ワイたちの背中から槍が抜けるんや。そして、目の前が真っ白になって...
「うーん...」
目を覚ますと、ワイはベッドの上におるんや。
「夢...やったんか?」
でも、背中がなんか軽い気がするんや。鏡で確認すると、槍は消えとるし、周りの人も普通にワイを見るようになっとるんや。
「マジで別の世界行ってもうたんか...」
その日から、ワイの人生は好転し始めるんや。仕事も戻ってきたし、新しい恋人もできたんや。
でも、時々夜中に目が覚めると、あの別の世界のことを思い出すんや。あれは本当に起こったことなんか、それとも単なる夢やったんか...
ワイには分からへん。でも、一つだけ確かなことがあるんや。
人生は投げ槍やない。自分で掴み取るもんなんや。
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