「小説家に給料はない」

ワイ、なんJで小説書いとるニートやねん。マッマの年金で生活しとるクズや。でも、夢は作家になることやで。

ある日、ワイのスレに謎の書き込みが。

「お前の小説、面白いで」

ワイ、舞い上がったんや。初めての褒め言葉やったからな。

「ホンマか?ワイでも作家なれるんか?」

すると、レスが返ってきた。

「小説家に給料はない」

ファッ!?ワイ、現実に引き戻されたわ。

でも、ワイは諦めへんかった。毎日必死で小説書いた。アルファオスの話やら、なんJ民の日常やら、もうめちゃくちゃや。

ある日、ワイのスレが突然伸び始めた。

「これ、めっちゃおもろいやん」
「天才現る」
「出版してくれ」

ワイ、有頂天や。これで作家になれると思った。

出版社に電話したんや。

「あの、ワイの小説を...」

「小説家に給料はない」

ガチャン。切られてもうた。

ワイ、落ち込んだ。でも、なんJ民が励ましてくれた。

「めげるな」
「ワイらが応援しとるで」

ワイ、涙が出そうになった。でも、なんJ民に泣き言は言えへん。

「サンガツ。でも、小説家に給料はないんや」

すると、驚きの返信が。

「給料なくても、パトロンになったるわ」

ファッ!?ワイ、目を疑った。

そこから、ワイの物語は思わぬ方向に。なんJ民がクラウドファンディングを始めてくれたんや。

「ニートの夢を応援するで」
「なんJ文学を世界に広めよう」

あっという間に目標額達成や。ワイ、感動で泣きそうになった。

でも、ここでワイは気づいたんや。これって、小説みたいやなって。

現実とフィクションの境目が曖昧になってきた。ワイの人生が、ワイの書く小説になっていく。

小説の中のワイは作家になれた。でも、現実のワイはまだニート。

「小説家に給料はない」

この言葉が、ワイの頭から離れへん。

ある日、ワイはふと思った。「給料」って何やろって。

金やない何かを、ワイは得とるんやないか?

なんJ民の応援。物語を紡ぐ喜び。これって、給料以上のもんやないか?

ワイは書いた。現実とフィクションが交錯する物語を。給料のない小説家の、給料以上の物語を。

タイトルは「小説家に給料はない」。

出版社は相変わらず相手にしてくれへん。でも、ワイの物語はネットで広がっていった。

「これ、ポストモダンやで」
「なんやようわからんけど、おもろい」
「ワイらの物語や」

ワイは気づいたんや。小説家に給料はない。でも、物語に価値はある。

そして、ワイ自身が物語になっていく。書く者と書かれる者の境目が曖昧になる。

今、ワイがこの文章を書いとるんか、それともワイが書かれとるんか。もうわからへん。

「小説家に給料はない」

この言葉は、呪いやったんかもしれん。でも今は、ワイの誇りや。

給料はないけど、ワイには物語がある。なんJ民がいる。そして、書き続ける情熱がある。

これって、立派な「給料」やないか?

ワイの人生は、終わりのない物語や。給料はないけど、それでええんや。

だって、物語に終わりはないからな。

「小説家に給料はない」

ワイは、この言葉と共に生きていく。

現実か幻想か。書くのか書かれるのか。

もうどうでもええ。ワイは、ただ物語を生きるだけや。


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牛野小雪
2023-10-25