ワイ、窓の外を見てビビりまくっとったんや。空が、まるで地獄の入り口みたいに真っ黒になってきよる。

「やべぇ...これ、線状降水帯ちゃうか?」

テレビつけたら、気象予報士が必死に警告しとる。「前例のない大雨です!直ちに避難してください!」

ワイ「ファッ!?避難?どこに逃げりゃええねん...」

外は既に冠水しとって、道路が川みたいになっとる。車が流されてくで。ヤバすぎやろ...

???「ゴゴゴゴ...」

なんや、その低い唸り声...?まさか、地響きか?それとも、空の怒りか?

ワイ「せや、Twitterで情報集めたろ!」

スマホ開いたら、タイムラインがパニックで溢れとる。

@user1「助けて!2階まで水が来てる!」
@user2「○○町が孤立しました!」
@user3「川の堤防が決壊!」

情報の洪水に、ワイの頭もパニックになってきた。どの情報が本当なんや?どれを信じりゃええんや?

窓の外を見たら、空がさらに暗くなっとる。雨が、まるでナイフで切り裂かれるみたいに激しく降っとる。

ワイ「こんなん、絶対おかしいって...」

そのとき、ワイの家のドアをドンドン叩く音。

「開けてくれ!助けてくれ!」

ワイ、恐る恐るドアを開けたんや。そしたら、ずぶ濡れの男が転がり込んできよった。

男「あ、ありがとう...外が、外が...」

ワイ「何があったんですか?」

男の目は、まるで地獄を見てきたかのように虚ろや。

男「雨が...雨が人を...」

ワイ「雨が人を?どういうことですか?」

男「雨が降るたびに、人が溶けていく...」

ファッ!?何言うとんねん、こいつ。でも、男の顔は真剣そのもの。嘘をついてる様子はない。

ワイ「そ、それってどういう...」

その瞬間、停電。真っ暗闇の中、雨音だけが異様に大きく響く。

???「ゴゴゴゴ...」

また、あの不気味な唸り声。でも今回は、どうも外からじゃなくて...家の中?

男「来る...!」

男が叫んだ瞬間、窓ガラスが割れる音。そして、どろどろした何かが部屋に流れ込んでくる。

ワイ「うわあああ!」

懐中電灯を必死に探して、やっと光を灯したんや。そしたら、目の前に信じられない光景が...

床一面に、どろどろした人間の形をした何かが蠢いとる。まるで、人間が溶けたみたいな...

男「だから言ったんだ...雨が人を溶かすって...」

ワイ、パニックになって2階に逃げる。でも、どろどろは階段を這い上がってくる。

「たすけて...たすけて...」

どろどろから、かすかに人の声が聞こえる。まるで、溶けかけの人間が話しとるみたいや。

ワイ「これ、夢やろ?悪い冗談やろ?」

でも、現実は残酷や。どろどろは着実にワイに近づいてくる。

そのとき、スマホに緊急速報。

「線状降水帯による記録的大雨。不要不急の外出は控えてください。」

ワイ「もう遅いわ!」

屋根を叩く雨音が、まるで死神の足音みたいに聞こえる。

どろどろは、もうワイの足元まで来とる。逃げ場はない。

ワイ「くそっ...なんでこんなことに...」

窓の外を見たら、空が渦を巻いとる。まるで、巨大な目みたいや。そして、その中心から、さらに激しい雨が降り注ぐ。

ワイ「これが...線状降水帯...」

どろどろがワイの足に触れた瞬間、激痛が走る。まるで、肉が溶けていくような感覚。

ワイ「あああああ!」

意識が遠のいていく中、ワイは思うんや。

これが最後なんか...?
線状降水帯に呑み込まれて、ワイも雨の一部になるんか...?

そして、全てが暗闇に包まれた...

気象庁の発表によると、この日の雨量は観測史上最大を記録したという。
そして、数百人の行方不明者が出たことも報告された。

彼らは、一体どこへ消えたのか...?
それとも、雨と一体化してしまったのか...?

線状降水帯の謎は、今も解明されていない。