シローとリーリャは長い冒険の末 とあるエルフの村にたどり着いた 村人たちは二人を歓迎し 心からのおもてなしをしてくれた

村で過ごす中で シローは子供たちがいじめられているのを目撃する 自分も子供の頃 ボクシングと出会うまではいじめられていたことを思い出し シローは子供たちを助けることを決意した

「リーリャ 俺はこの子たちにボクシングを教えたい」 シローが真剣な眼差しでリーリャに告げる 

「いいわ シロー あなたの思いはよくわかります 私もできる限り協力しましょう」 リーリャは微笑み シローの手を握った

こうしてシローは村の子供たちにボクシングを教え始めた 最初は戸惑っていた子供たちも シローの熱心な指導により少しずつ上達していく

「よし その調子だ もっと拳に力を込めるんだ」 シローは子供たちにアドバイスを送る 

「はい シロー先生!」 子供たちは生き生きとした表情で練習に励んだ

日々の練習を重ねるうち 子供たちは自信と勇気を身につけていった いじめはなくなり 村に笑顔が溢れるようになった

そんなある日 村に異変が起きた 村の守り神であるエルフの木が何者かに傷つけられ 枯れ始めてしまったのだ 村人たちはパニックに陥り 途方に暮れていた

「シロー先生 僕たちにできることはありませんか」 子供の一人がシローに尋ねる 

「あるよ 君たちが学んだボクシングで村を守るんだ」 シローは子供たちを鼓舞した

シローとリーリャの指導のもと 子供たちは村を守るため立ち上がった 彼らは村の周りを見回り 不審な影を見つけると果敢に立ち向かっていく

「そこにいるのは誰だ!」 子供たちが敵の影に声をかける 

姿を現したのは 隣の村の者たちだった 彼らはエルフの木を枯らし 村を乗っ取ろうと企んでいたのだ

子供たちは怖気づくことなく 敵と戦った シローから教わったボクシングを駆使し 次々と敵を打ち倒していく

「やったぞ みんな!俺たちの村は俺たちで守るんだ!」 子供たちが歓喜の声を上げる

シローとリーリャも駆けつけ 子供たちとともに敵と戦った 二人の力強さに子供たちは勇気づけられ 最後まで戦い抜いた

見事村を守り抜いた子供たちは 英雄として称えられた エルフの木も元の姿を取り戻し 村に平和が戻った

「リーリャ 俺はこの子たちを誇りに思うよ」 シローが感慨深げに呟く 

「ええ 彼らはあなたの教えをしっかりと受け継いだのね」 リーリャも嬉しそうに微笑んだ

村を去る日 シローとリーリャは子供たちに別れを告げた 

「みんな 本当にありがとう 君たちと過ごした日々は忘れない」 シローが子供たち一人一人と握手を交わす 

「シロー先生 リーリャ先生 またいつか会いに来てください」 子供たちが涙ぐみながら言う

「ああ 必ず戻ってくるよ そん時はもっと強くなってな」 シローは力強く頷いた

村を後にしたシローとリーリャ 二人きりの時間が戻ってきた 

「ねえ シロー ボクシングを教えるあなた すごく素敵だったわ」 リーリャが頬を赤らめる 

「リーリャ 俺はお前と一緒にいるから強くなれるんだ」 シローもリーリャを見つめ 告白しようとした その時だった

「こら~!シロー君 勝手にいい雰囲気出すんじゃないわよ!」 後ろから聞き覚えのある声が

振り返ると そこには異世界から来たはずの幼馴染の女の子 ユイがいた 

「ユ ユイ!?なんでお前がここに!?」 シローが驚きの声を上げる

「シロー君の事が心配だったから 異世界まで来ちゃった♪」 ユイが嬉しそうに言う

「ちょっと!誰よアンタは!シローは私のなんだから!」 リーリャが怒りの形相でユイに詰め寄る

「はぁ!?私こそシロー君の幼馴染なんだから!」 ユイも負けじと言い返す

シローを挟んで リーリャとユイのバトルが始まった

「ちょ 二人とも落ち着いて」 シローが必死にあやすが 聞く耳を持たない

こうして 異世界ボクサーシローの新たな冒険の幕が上がったのであった