みそ汁職人の一日は味噌の香りと共に始まります。早朝から味噌蔵に出勤し、その日に使用する味噌を選別します。味噌玉の色、香り、硬さを丁寧に確認し、最高の状態の味噌だけを使用するのです。

選別した味噌を大釜に入れ、だしを注ぎます。だしは前日から丁寧に仕込んでおいたものを使います。カツオ節、昆布、煮干しなどを黄金比で配合し、長時間かけて抽出したこだわりのだしです。

味噌ととだしが合わさると、みそ汁職人の本領発揮です。大きな杓子を使って味噌を溶かしていきます。味噌が溶けるまで絶えず掻き混ぜ続けます。味噌の固まりを残さないように丁寧に溶かすことが、美味しいみそ汁の秘訣なのです。

味噌が完全に溶けたら次は具材の準備です。その日の仕入れによって旬の食材が届きます。新鮮な野菜、しっかりとした豆腐、出汁の効いた油揚げなど、素材の良さを引き出すことが職人の腕の見せ所です。

具材を切り、下ごしらえをしていきます。包丁さばきは、みそ汁職人の基本中の基本。野菜は食べやすい大きさに、豆腐は崩れないように丁寧に切ります。油揚げは、油抜きをして、だしを含ませます。

具材の準備ができたら、いよいよ火にかけます。みそ汁が沸騰する直前で具材を入れていきます。野菜から順番に投入し、最後に豆腐を入れます。沸騰したら、すぐに火を止めるのが、みそ汁職人の技です。

みそ汁が完成したら味見をします。味噌の濃さ、だしの効き具合、具材の火の通り加減を確認します。少し薄めでも、少し濃いめでも、その日の最高のみそ汁に仕上げるのが職人の仕事です。

完成したみそ汁は保温ポットに移し替えます。温かいうちに提供できるように温度管理も欠かせません。提供する際は、器の選択にもこだわります。季節感のある器、風情のある器で、みそ汁の魅力を最大限に引き出します。

昼食時になると多くのお客さんがみそ汁を求めてやってきます。温かいみそ汁を手渡しで提供し、お客さんの笑顔を見るのが、みそ汁職人の何よりの喜びです。「今日のみそ汁も美味しかった」「いつも温かいみそ汁をありがとう」そんな言葉が職人冥利に尽きます。

午後は翌日の準備に追われます。だしを取り、味噌の在庫を確認し、具材の発注をします。みそ汁職人の仕事は明日への準備なくしては成り立ちません。

夕方になり、その日の営業が終わると、大釜を洗い、味噌蔵を掃除します。清潔な環境を保つことも美味しいみそ汁作りには欠かせません。

みそ汁職人の一日は味噌の香りに包まれて終わります。明日も美味しいみそ汁を作るために味噌と向き合う一日が始まるのです。みそ汁一筋に生きる職人の姿は日本の食文化を支える誇り高き姿なのです。

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