国を愛するは、星に恋をするが如し。
彼の光は我々を照らすが、
我々の存在など知らぬ。
井戸のカエルが夜空を見上げるように、
我々は国を見上げ、愛情を注ぐ。
しかし国は、冷たい恋人のように、
愛を返さない。
愛国心を胸に秘める民は、
恋文を書き続けるが、返事は来ない。
なぜなら国は愛を求めず、
ただ無機質に存在する。
人々の愛は、風に舞う紙片のよう、
空に消え、忘れ去られる。
磯のアワビの片思い、愛国心は一方通行。
国は、その愛を受け入れることも、
拒むこともできない抽象概念。
愛しても、愛してくれないのは当然のこと。
そう、国を愛することは、
自己満足の行為。
愛されることを期待してはならず、
愛すること自体に意味を見出すべし。
国は永遠に無言で、我々の愛だけが語る。
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