私たちはいまだに漱石の墓の上にいる
 時代が変わっても 彼の影は長く
 現代の小説家たちが彼の遺した言葉に
 嘆きもしながら 称賛もする

漱石の視界から見た世界は
 今の我々にも新鮮で
 彼の墓の上で立ち尽くす私たちは
 彼からのバトンを受け継ぐかのよう

しかしそれでも
 彼の巨大な足跡は
 後続の作家たちにとって
 輝かしい光でありながらも重い鎖

「我輩は猫である」から
 「こころ」まで
 彼の探求した人間の深淵は
 いまだ解き明かされず

漱石の墓の上で
 我々は自らの言葉を見つけ
 彼の影響下にあることを
 嘆きながらもその遺産を称賛する

時代を超えて響く漱石の言葉は
 現代の小説家たちに
 新たな創造の火を灯す
 漱石の墓の上でなお 私たちは歩き続ける


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