ポストモダンがインテリの知の探求ではなく、己の無知を隠す道具になった理由
ポストモダン主義は一時期、学問の世界において革新的な動きとして受け入れられましたが、やがてそのアプローチが、インテリジェンチャによる知の探求よりもむしろ、自らの無知を隠蔽する手段として用いられるようになったという批判が高まっています。
相対主義の過剰
ポストモダン思想の核心にある相対主義は、全ての見解には等しい価値があるとする考え方です。この思想は当初、異なる視点への寛容を促進するものとして価値があるとされました。しかし、この無差別な相対主義が、知の探求よりも無知の正当化に利用されるケースが増えたのです。
批判の回避
ポストモダン主義は、批判や反論を「異なる視点の一つ」として退けることができるため、インテリジェンチャが自らの主張や理論の穴を覆い隠す手段として利用されることがあります。このような状況は、実質的な議論や批判的思考の場を狭める結果となりました。
知の深化の欠如
ポストモダン主義における知識の断片化と多元化は、一見すると知の拡大を促進するもののように思われます。しかし、これが表層的な理解や浅薄な分析を助長し、真の知の深化を妨げる結果となったことも指摘されています。
結論
ポストモダンがインテリジェンチャによって知の探求の道具ではなく、自己の無知を隠す道具になり下がった理由は、相対主義の過剰、批判の回避、知の深化の欠如にあります。この過程で、ポストモダン主義は学問的な厳密さや批判的思考を損なう方向に進んだと批判されています。
関連項目
- ポストモダン文学について
- 相対主義とは?
- 言語の不確実性
- ポストモダンはオワコンだと思う
- ポストモダンがインテリの知の探求ではなく、己の無知を隠す道具になった理由
- それでもなおポストモダンが思想の前衛にいる理由
- ポストモダンの本物と偽物を見分ける方法
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