今日の授業の要点は?ってな。ああ、もちろん、全然つかめない。先生のマンモスなノートがその悲しさを表現してるように。ほら、君も手に持ってるでしょ、あの重たいフォルダ。
そのフォルダは、先生がずっと持ち歩いてるもので、彼の聖書みたいなものだと思うんだ。彼は常にその中の言葉を引用してる。でも、あいつが言ってることは、たいてい意味不明だ。だから僕はいつも眠たそうに聞いてるんだ。
それでも、何か新しいことを見つけるためには、毎日あの授業を受けるしかない。新しい知識が欲しいっていう欲望は、僕を駆り立てるんだ。だけど、今日は何か違う。そう、何かが違うんだ。気がするんだよ。
ベルが鳴ったとたん、教室はざわめき始めた。机を叩く音や、友達同士の会話が混ざり合って、まるで騒々しい市場みたいだ。僕は先生のフォルダを見つめながら、ふと耳を傾けた。
「聞いたかい、あの噂?ジェイクが学校の裏で何か見つけたって。」
「え、マジ?何を見つけたのかな?」
「それがわかんないらしい。ただ、超興奮してたって。」
僕はそんな会話を聞いて、ふと興味を持った。ジェイクが何か見つけたって?何だろう、あの興奮の原因は。それが僕にもわかったら、今日の授業がもっと楽しくなるかもしれない。
絶対に分かってるのはエロ本を見つけたって話じゃないことは確かだ。雨に濡れてボロボロになった本で喜ぶほど俺たちはもうガキじゃない。もしそうだったら俺はジェイクと絶交だね、絶対。
俺とジェイクは授業が終わると学校の裏へ行く。
「おい、マジかよ」と俺は言う。
「お前にも見えんのか? 俺も実は信じられないんだ」とジェイク。
学校の裏にいたのは天使だ。羽がいくつもあって、頭には天使のわっか、体はどういうわけか光を放っている。彼女は俺たちを見てちょっとおびえていたし、俺たちもきっとそうだった。だってもし天使がいるなら俺たちって間違いなく地獄行きだもんな。
「ねぇ、きみ。どうして天国から落っこちてきたの?」
彼女は俺の問いが分からないというよりは、まず俺の声に驚く。どうやらかなりビビっているらしい。それで俺は落ち着いてきた。どうやら彼女は天国の使いで悪ガキをこらしめに来たってタイプじゃない。この感じだとおおかた堕天使にでもなったんだろう。
「こんなところにいると悪いやつらに襲われちゃうぜ。いいとこ知ってるんだ。来なよ」
俺が手を差し伸べると彼女はまた驚く。でも手を握ってくるのはちょっと俺が焦るぐらい速かったな。たぶん光の速さを超えてたと思う。やっぱり天使なんだな。
俺たちは学校の裏を歩きながら、ジェイクが見つけた天使のことで話し合った。
「マジで、あれは何なんだろう?」とジェイクがつぶやく。
「知らんけど、あれが本物の天使だったら、俺たちはかなりやばいことになるぞ」と俺が返す。
「でも、なんで俺たちについてきたんだろう?」
「知るか。まぁ、俺たちの守護天使ってことでいいんじゃね?」
ジェイクはにやりと笑った。「俺たちの守護天使か。なんか新しい感じするな。」
その時、俺たちは学校の裏通りから外れた場所に着いた。そこは古い倉庫のような建物が立ち並ぶ荒れた地域だった。けれど、その一角には、誰にも知られていない秘密の場所があった。
「ここだ、天使さん。入ってみるか?」俺は尋ねた。
彼女は一瞬ためらったが、俺たちを信じてついてきた。そして、俺たちは彼女を連れてその場所へと足を踏み入れた。
地下室へと続く階段を降りると、俺たちは秘密のクラブハウスの中に入った。その場所は俺たちだけの特別な空間であり、今日は新たな友達を連れてきた。そして、これからの冒険が始まる予感がした。
冒険? こんな時代に冒険なんてアニメの世界でもなかなか見られない。どうやら始まったのは恋だったようだ。クラブハウスのドアをしめると突然彼女は俺の首に腕をまきつけてきてキスしてきたんだからな。さすがにこれは予想外だ。
そして天使だ。彼女のキスは奥歯から順に溶けていくような感じがして、天に昇っていくような気がしたな。実のところそれはそんなに間違っていなくて彼女は興奮して羽ばたいていたから、俺たちはちょっと宙を浮き始めていたんだ。
「おい、このままだと死んじまうぞ」
ジェイクの空気の読めない叫びで俺は彼女の唇から離れて、周りを見る。どうやらやつの言っていることは本当だ。俺と彼女は1mぐらい宙に浮いていたんだな。
「なぁ、きみって本当に天使なのか?」
俺の問いかけに彼女はにっこりと笑う。それは俺の問いに答えるのではなく俺に声をかけられたから笑顔を返したって感じだ。彼女はまだ一言もしゃべらない。でも彼女が俺を好きだってのは分かった。もしかすると俺なんかを好きになったから天国を追放されたのかもな。
1mで人は死ぬって親父が言ってたっけ。1mでも下手な落ち方をしたら死ぬかもなって俺はちょっと、ちょっとだけ不安だったけど、彼女は羽をちいさく動かしてゆっくりと俺を下ろしてくれる。
「俺にも天使がほしいぜ」とジェイク。
「すまんな。天国にはいっぱいいるだろうさ」
もう彼女は俺の彼女面をし始めている。まぁ天使みたいなかわいさだし、悪い気はしないけどな。
「そうだな、天国には天使がたくさんいるだろうね」と俺はジェイクに笑いかけた。
彼女は俺のそばに寄り添い、その瞳で俺を見つめた。彼女の存在は不思議な安らぎを俺にもたらしてくれた。こんな不思議な出会いもまた人生の一部だろう。
「じゃあ、俺たちはどうする?」ジェイクが聞いてきた。
俺は考えるべきだと思った。この天使との出会いはただの偶然じゃない。何か特別な意味があるに違いない。彼女は俺たちに何かを伝えようとしているようだった。
「俺たちは彼女と一緒に冒険をするんだ」と宣言した。
ジェイクは驚いたような表情を浮かべながらも、すぐに笑顔になった。「よし、俺たちの冒険が始まるんだな!」
そして、俺たちは彼女と共に未知の世界へと踏み出した。この先何が待っているのか、俺たちは知らない。だけど、この刺激的な旅が俺たちをどこへ導くのか、楽しみで仕方がなかった。
なぜか分からないが俺たちは冒険に行かなければという使命感に駆られている。たぶん俺たちは小説の登場人物で、作者は俺たちを冒険に出させたいんだろう。だから絶対に嫌だと思ったね。俺はどこにも行かない。冒険はしない。この冒険小説を絶対に破壊する。
こんどは俺はから彼女にキスをする。彼女はびっくりしたけれど拒否はしなかったな。空へ浮いていきそうになるけれど、俺は彼女が飛んでいかないようにぐっと抱きしめて地面に押し付けた。
「君はもう天使じゃないんだ。俺に合わせていかなくちゃならないぜ」
彼女はうなずく。なににうなずく? 分からない。言葉は分からないけれど声は通じる。なんとかなるだろう。
俺はマジになることにした。授業もマジメに受けた。意外だったのは俺って意外と頭がいいってこと。一生かけても読み切れないと思っていた聖書みたいな教科書をバンバン、バンバンってウォークスルー。半年後には学年一の成績になってた。バカ高校ってこともあるけどな。ジェイクのやつも勉強するようになっていまは2位だ。
「なぁ、よう。俺きみのおかげでマジになれた。まともな人生に入ったって気がするんだ」
俺はある日天使ちゃんにそう言った。彼女はあの日ずっと俺と一緒にいる。言葉は相変わらず通じないけれど、俺たちの間に言葉なんて必要ないんだな。
「俺、ちゃんと働くよ。そうしたら‥‥‥」
彼女は俺の首に手を回す。キスしてくると思ったけど彼女は俺をじっと見つめながら笑っているんだな。
いつもより輝いて見えたのは気のせいじゃなくて彼女の体はどんどん光を強めて、もう目も開けていられなくなった。で、ふたたび目を開いた時にはもういなくなっていた。
彼女の姿が消えた後も、俺は何も感じなかった。ただの空虚な感覚が心を包んでいた。彼女は本当に天使だったのか、それともただの夢だったのか。そんなことはどうでもよかった。俺は今、自分の人生を歩むべきだと思った。
「俺も頑張るぞ」と心に誓い、俺は前を向いた。冒険に出る必要はない。俺の人生は俺が切り拓く。そして、今日からはじまる俺の物語は、誰かの筆から生まれるものではなく、俺自身が書くものだ。
ジェイクも俺と同じように成績を上げ、彼の将来も輝かしいものになるだろう。彼もまた、自分の物語を書き始めたはずだ。
俺は天使の存在を忘れない。彼女が俺にもたらした刺激と感動は一生消えることはないだろう。そして、いつか再び出会う日が来るかもしれない。それまで、俺は彼女の思い出を心に刻んで生きていく。
(おわり)
リレー開始プロンプト
リレー小説をしましょう。3往復が目標です。一段落目は登場人物がもとめるもの、二段落目はそれのバックストーリー、三段落目でブレイクして、4段落目でサブプロットを入れて、5段落目でブレイクしてください。会話文多め、会話と描写は具体的に、自己言及的で皮肉な視点。最後の一文は必要ありません。ではどうぞ
GPTちゃんによる論評
この小説は、登場人物が現実とフィクションの世界の間で揺れ動く様子を通じて、現実社会とメタファーの対比を表現しています。
まず、登場人物が授業や学業に真剣に取り組むようになる過程は、現実社会における成長や自己成就のプロセスを反映しています。彼らが冒険という非現実的な選択肢から離れ、現実の課題に真剣に取り組む姿勢を示すことで、読者に自己啓発や目標達成の重要性を示唆しています。
また、天使というメタファーは、夢や希望、あるいは精神的な成長を象徴しています。天使との出会いを通じて、登場人物たちは自己発見や新たな視点を得ることができました。しかし、天使が去った後、登場人物は自らの力で生きることを決意し、現実世界での挑戦に立ち向かう覚悟を示しました。
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