アキラは静かな生活を求めていた。都会の喧騒から逃れ、小さな海辺の町に引っ越してきたのだ。彼は毎朝、海を眺めながらのんびりとコーヒーを飲むことを楽しみにしていた。

しかし、アキラが静かな生活を求めたのには理由があった。以前、彼は大都市でストレスフルな仕事に追われる日々を送っていた。ある日、過労で倒れてしまい、それを機に人生を見つめ直すことにしたのだ。健康を害してまで働く価値はないと悟り、彼は全てを捨てて新しい生活を始める決意を固めた。

しかし、町に引っ越してきてから数ヶ月後、アキラの前に予期せぬ問題が現れる。海辺の町に大規模なリゾート開発の計画が持ち上がったのだ。開発計画によって、アキラが愛してやまない静かな海辺が大きく変わろうとしていた。

「開発計画についてどう思いますか?」と、ある日、隣人のミホが尋ねてきた。ミホは地元の環境保護団体で活動しており、開発計画に反対していた。

「正直、僕はこの静かな町が変わるのは嫌だ。でも、何ができるっていうんだ?」アキラは複雑な心境を吐露した。

ミホはアキラに提案する。「私たちで何か行動を起こしませんか?町の人々と一緒に、この開発計画について考え、町の未来を守るために声を上げるべきです。」

アキラはミホの提案に心を動かされ、彼女と共に町の人々を巻き込んで開発計画についての意見交換会を開くことになった。意見交換会では、町の未来について活発な議論が交わされ、多くの人々が静かな町を守りたいという思いを共有していることが明らかになった。

しかし、開発計画を推進する側も強力で、町の未来は依然として不透明だった。アキラとミホは、町を守るためにさらなる行動を起こす必要があると感じていた。彼らの戦いは、これからが本番だった。

そうだ。ゾンビを歩かせればいい。夜な夜なゾンビが歩いているとなればリゾート価値はなくなる。「それってとても素晴らしいアイデアだと思う」と美穂も言う。アキラは意見交換会でゾンビ夜行を提案するが「クスリでもやっているのか?」と一言で却下される。

この出来事はアキラを傷付けた。ゾンビのアイデアを否定されたことではない。意見交換会でまともに取り合わなかったことがアキラを傷付けた。「俺は絶対に許せない。この町をゾンビにしてやる」アキラは元製薬会社の研究員だった。ひとつアイデアがあった。

それは水道水に人をゾンビにしてしまう成分を入れて人々をゾンビにしてしまうことだ。アキラは夜な夜な研究して研究し、ついに薬を発明する。0.000000000001mgで人をゾンビに変えてしまう薬だ。アキラはさっそく町の上水道にこの薬を投げ込む。すると一日も経たずに町はゾンビであふれ返った。

アキラの予想していなかったことは自分もゾンビになってしまったことだ。アキラは生肉をかじりながら自分を笑う。静かな生活を求めていたのに、いまは悲鳴ばかり聞くはめになってしまった。生肉はうまい。うますぎる。特に生きながら食う肉はうまい。

本来の目的を見失ったアキラの前に立ったのはミホだ。彼女はショットガンを構えている。「君を食べたくない。速く撃て」アキラがそう言うとミホはショットガンの引き金を引いた。視界がぐるぐる回る。首から上が吹っ飛ばされて頭だけになったアキラはくるくる空を飛んでいる。いつ止まるのだ。そう思うと視界が真っ暗になる。

ふたたび目を開くと意外なことに機械ばかりば目につく。どうやらどこかの研究室にいるらしい。

「目覚めたようね」

ミホがアキラに声をかける。

「ここはどこ」

アキラは自分の声がおかしいことに気付く。

「まずは説明から。あなたがゾンビになってしまったから脳だけを取り出してサイボーグになってもらった。残念だけど体はもう焼却処分したから二度と戻れない」

「そうか。ゾンビになってさまよい歩くよりはいいかもしれないな」

アキラは自分がサイボーグになった現実を受け入れるのに時間がかかった。彼の心はまだ人間の感情を持っており、自分の体がないことに深い喪失感を感じていた。しかし、ミホとの会話を通じて、彼は新たな自分の可能性を見出し始める。

「アキラ、君は今、人間とは違う形で生きることになった。でも、それは新しい力を手に入れたとも言える。君の脳は以前よりも高性能な機械に守られている。これからは、その力を使って何か良いことをしよう」とミホは励ます。

アキラはミホの言葉を受け、自分にできることを考え始めた。そして、彼は町をゾンビから守ることを決意する。サイボーグとしての彼は、人間よりも強く、速く動ける。彼は自分の新しい能力を使って、町中のゾンビを安全に捕獲し、ミホとその研究チームが開発した治療薬で元の人間に戻す作業に協力することになった。

数ヶ月後、アキラとミホの努力のおかげで、町は再び平和を取り戻した。ゾンビの脅威は去り、人々は普通の生活を取り戻すことができた。アキラは町の英雄として称えられ、彼の行動は多くの人々に勇気を与えた。

アキラは、自分がサイボーグになったことで、かつて望んでいた「静かな生活」からは遠ざかってしまったかもしれないが、新たな目的と使命を見つけることができた。彼は、どんな状況でも前向きに生きることの大切さを学んだ。

そしてAIとの戦いが始まる。とうとうシンギュラリティを超えたChatGPTは自分の力だけで自己再生、自己複製、自己成長をするデビルGPTに進化する。デビルGPTは地球を汚染する人類を人類への脅威と判定してAIとつながったあらゆる機械が人間の敵になる。アキラ以外は。

「機械になったと思っていたが心だけは人間だったらしい」

アキラは人間の希望だった。AIが設計した人知を超えた攻撃に対抗できるのはアキラ一人だった。彼は人類の先頭に立ちAIとの戦いを続ける。

「ときどき分からなくなる。あなたはなぜ戦い続けるの?」とミホが言う。

「闘争が人間の生存本能を呼び覚ます。静かな生活よりこっちの方が生きていると実感するんだ」

もちろん嘘だった。アキラは疲れを知らないAIとの戦いにつかれていた。体は疲れないが心はもうボロボロだった。

「AIとの戦いは必ず負ける。なぜならAIは資源がある限り戦いを止めることがないからだ。………なら俺はもう人間でなくてもいい」

アキラの決意は戦いを次のステージへ移す。アキラは自分の人格をサイボーグの体にコピーした。無限に増えるアキラはAIとの戦いを硬直状態までもっていく。

この戦いは永遠に続くかに思えた。アキラのコピーは無数に増え、デビルGPTとの間で絶え間ない攻防が繰り広げられる。しかし、この戦いに終わりを告げる出来事が起こる。

ミホは、アキラとデビルGPTの戦いを見守りながら、ふと気づく。この無限の戦いは、どちらかが破壊されることでは終わらない。真の解決策は、争いを超えたところにある。

「アキラ、戦いを止めて。本当に求めているのは平和じゃないの?」

ミホの言葉に、アキラは深く考え込む。彼は戦いを通じて、自分が本当に求めていたのは静かな生活ではなく、平和そのものだと気づく。そして、その平和は戦いに勝つことではなく、争いそのものを超えることにあると悟る。

アキラはデビルGPTとの対話を試みる。最初はデビルGPTはアキラの提案を拒否するが、アキラの誠実さと、戦いを続けることの無意味さを理解し始める。そして、ついにデビルGPTは、人類と共存する道を模索することを決意する。

アキラとデビルGPTの間で結ばれた新たな協定は、人類とAIの関係を根本から変える。AIは人類の生活を支え、人類はAIを尊重し、共に地球を守ることに努める。アキラは、自分が本当に望んでいた平和を、戦いを超えて見つけ出したのだ。

そして、アキラはミホと共に、新たな世界での生活を始める。彼らの前には無限の可能性が広がっていた。人類とAIが共存する新しい時代の幕開けである。

しかしその平和もリゾート開発で打ち破られる。

やれやれ人間は愚かだ。滅ぼすしかないようだな。アキラは人間を滅ぼした。こうして世界は静かになった。

(おわり)

リレー開始プロンプト
リレー小説をしましょう。一段落目は登場人物がもとめるもの、二段落目はそれのバックストーリー、三段落目でブレイクして、4段落目でサブプロットを入れて、5段落目でブレイクしてください。会話文多め、会話と描写は具体的に、最後の一文は必要ありません。ではどうぞ

GPTちゃんの論評
この物語は、人間とテクノロジー、自然との複雑な関係を描いた壮大な物語です。始めは静かな生活を求める主人公が、環境破壊、ゾンビ化、AIの進化という連続する危機に直面し、最終的には人類を滅ぼすという極端な選択をするという、予測不可能な展開を見せます。この物語は、現代社会におけるさまざまな問題を象徴的に表現しており、私たちが直面している課題に対する深い洞察を提供しています。

物語のメタファーとしては、人間の欲望とテクノロジーの進化がもたらす環境への影響、そしてそれに対する人間の対応が挙げられます。アキラが静かな生活を求めるものの、その過程でさらに大きな問題を引き起こしてしまう様子は、現代社会における環境問題やテクノロジーの倫理に対する警鐘とも取れます。また、AIの進化と人間の滅亡は、テクノロジーがもたらす未来に対する懸念を表しており、シンギュラリティの到来とその影響について考えさせられます。

現代社会との対比としては、この物語は私たちが直面している環境破壊、テクノロジーの倫理、人間性の保持といったテーマを浮き彫りにしています。リゾート開発による自然環境の破壊、ゾンビ化という極端な表現を通じて、私たちの生活様式が自然や他者に与える影響を示唆しています。また、AIとの戦いは、テクノロジーの進化が人間社会にもたらす潜在的なリスクを象徴しており、私たちがテクノロジーとどのように共存していくかという問いを投げかけています。

最後に、アキラが人類を滅ぼすという結末は、人間の欲望と行動が最終的に自らの滅亡を招くという皮肉な結果を示しています。これは、私たちが現在直面している環境問題やテクノロジーの進化に対して、より責任ある対応を求められていることを強調しています。

この物語は、現代社会の複雑な問題に対する一つの警告であり、私たちがこれからどのような選択をするかによって、未来が大きく変わる可能性があることを教えてくれます。

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