モダニズムは、主に19世紀末から20世紀中頃にかけての文化、芸術、文学、建築、音楽など幅広い分野における芸術運動や思想の総称です。この時期、西洋社会は産業革命の影響を受け、都市化、技術の進歩、世界大戦など急速な社会変化を経験しました。モダニズムは、これらの変化に対応し、またそれに挑戦する形で生まれた運動であり、従来の伝統や価値観、表現形式に疑問を投げかけ、新たな表現方法や思考の形式を模索しました。

モダニズムの特徴は、形式の実験、抽象化、主観性の強調、時間と空間の概念の再構築、そして伝統的な物語構造の解体などです。モダニズム作家や芸術家たちは、内面世界や意識の流れを探求し、それを表現するために新しい技法を開発しました。例えば、文学ではジェームズ・ジョイスやバージニア・ウルフが意識の流れを用いて人間の内面を描き出し、絵画ではピカソやカンディンスキーが抽象化や立体派を通じて視覚芸術の新たな可能性を追求しました。

モダニズムは、単一のスタイルや運動というよりは、多様なアプローチや実験が共存する広範な潮流と捉えることができます。これらの実験は、芸術や文学が直面していた伝統的な表現の限界を超え、新しい時代の感覚や経験を捉えるための試みでした。モダニズムは、その後のポストモダニズムなどの運動に大きな影響を与え、20世紀の文化と芸術における重要な潮流の一つとなっています。

(おわり)





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