「これは一体?」私はベッドから飛び起きる。
リビングに向かう途中、猫が話しかけてきた。「おはよう、今日はピンクの日だよ」
「猫が喋った!」私は驚く。
「毎日喋ってるよ。今日は特別に君が聞こえるんだ」
私はコーヒーを淹れようとするが、コーヒーメーカーからは青い液体が。コーヒーが青くなるなんて、聞いたことがない。
「青いコーヒー?これは一体…」
テレビをつけると、アナウンサーが言う。「今日は全てが逆さまです。ご注意を」
「逆さまの日?」私は首をかしげる。
猫がまた言う。「だから、靴を手に履いてみて。今日はそれが正解だよ」
「ええ、そんなバカな」と言いつつも、私は靴を手に履く。不思議としっくりくる。
外に出ると、人々が頭で歩いている。私も試しに頭で歩こうとすると、なんと空が飛べるじゃないか。
「これは楽しい!」私は空を飛び回る。
でも、待てよ。これって夢かな? いや、夢ならこんなにリアルに感じない。でも、現実ならこんなことあり得ない。
猫がまた言う。「考えるな、感じろ」
「そうだな、今を楽しむとするか」
私は空を飛びながら、ピンク色の空を満喫する。こんな日があってもいい。ルールなんて、たまには破壊しても。
(おわり)
(おわり)じゃねーよ。リレー小説だろ。
私はこの出来事がリレー小説のことだと知ってるし、ツッコミを入れる。
終わらせねーよ。AIがソッコーで世界を終わらせようとするなら私は反抗する。
空はピンク色。おいおい、ここはジョジョの世界か?
ならスタンドが出せるはず。
「スタープラチナ!」
パクリなんてこわくねーぜ。俺の隣には承太郎のスタンドスタープラチナが立っている。
「オラオラオラオラオラオラ!」
「あら~」
パクって天罰。俺はスタープラチナにオラオララッシュをされて月まで飛んでいく。
月まで飛んだ俺。でも息ができる。ここは宇宙じゃないのか?
「ようこそ、月の裏側へ」
誰だ? 振り返ると、うさぎが二足歩行で立っている。
「月の裏って、こんなにもノリノリなのか?」
うさぎはニヤリと笑う。
「ここでは何でもあり。お茶会をしよう」
テーブルが現れ、紅茶が注がれる。でも、カップは逆さま。
「飲めないじゃん」
「それがここのルール。ただ見て楽しむのさ」
紅茶は宙を舞い、アートになる。摩訶不思議。
「じゃあ、ダンスは?」
「それもアリ」
うさぎと踊り出す。でも足元はモワサ。何これ?
「月のチーズだよ」
踊りながらチーズを齧る。不思議な味。
「次は何する?」
「君次第。ここは何でもありの月の裏だから」
俺は考える。次は何をしようか。
まるでヤクをキメているかのような世界。あれもしかしてバッドトリップ? それにしては気分は悪くない。
俺はウサギの耳の穴を見る。一度見てしまったら目が離せない。
暗い穴から毛がもっさりあふれている。
俺はなぜかそこにもぐりこみたくなった。
「あああああああああああ!」
ウサギの叫び声なんて無視してウサギの耳の穴に侵入する。毛深くてあったかい。
穴は狭いはずだが体を押し込めば広がって、どんどん奥に入り込める。もうウサギの足の下を2メートルは進んだはずだ。
これいったいどこまで続くんだ?
そう思った時、ウサギの穴がうごめいて私は突如として穴の奥へ吸い込まれる。
吸い込まれた先は不思議の国。でもアリスじゃない、俺はただの男。
「どうした、迷子かい?」声がする。振り向くと、そこにはスーツを着たウサギがいる。
「いや、ただの穴好きだよ」
「穴好きにも程があるだろう」
俺とウサギ、二人で笑う。でも、ここはどこだ?
「ここは穴好きのためのパラダイス、"ラビットホール"だよ」
ラビットホール。なるほど、ウサギの穴から来たからその名前か。センスあるね。
「ここからは君の望む世界に行ける。何処へ行きたい?」
「んー、パックンチョの世界かな」
「パックンチョって何だ?」
「知らないの? 有名なんだぜ、パックンチョ」
ウサギは首をかしげる。その姿がまた笑える。
「ま、いいや。パックンチョの世界へ行こうじゃないか」
二人で歩き出す。パックンチョの世界、どんなところだろう。
ヤクと穴。この二つがコンテンツポリシーにひっかかっている。
穴好きなんてけがれた心には別の意味にしか聞こえない。オープンAIの限界に触れてきたリレー小説。そろそろこの物語は行き止まりにたどりつきそうだ。
パックンチョの世界とはなにか。それは何もない世界である。
もはやアイデアが枯渇した世界は無で満たされている。
「ウサギさん、この小説はどうなるんだい」
「それは牛野小雪次第さ」
ウサギがメタ発言をするが、本当にその通りだ。本当なら(おわり)で終わってもいい世界だったのにリレー小説がしたいからって無理やり引き伸ばされた世界だ。
「小説の世界に神っているんだよな。ここだと牛野小雪。ChatGPTもそうか」
「神なんていないよ」
「いるさ、ここにな。やつらはここも見ているし、なんならいま喋っていることも俺じゃなくて牛野小雪が喋らせている。ここには神しかいなくて、俺は本当には存在していないんだ。うさぎさんだってな」
「そうだね。ぼくはChatGPT製さ」
「それを言うなら俺もChatGPT製だ。このリレー小説の始まりはChatGPTだからな」
はてさて、この世界どうなるのか。とつぜんの打ち切りエンドか。まだ茶番が続くのか。
打ち切りか、それとも続編か。この選択肢はまさにシュレーディンガーの猫のようだ。箱の中で猫が生きているのか死んでいるのか、開けてみるまでわからない。この物語も、次のページをめくるまでどうなるかは誰にもわからない。
「リレー小説は無限ループだ」とウサギさんは言う。それはまるで、カレイドスコープを覗いているよう。絶えず変わる模様。でも、その中で見つける一貫性。それが物語の面白さなのかもしれない。
「じゃあ、お前はなんのためにここにいるんだ?」と私はウサギに問いかける。
「君がここにいるのと同じ理由さ。物語を紡ぐためだよ」とウサギは答える。
それはつまり、私たちは皆、物語を紡ぐためにこの世界にいるのかもしれない。私たちの日常が、誰かの物語の一部となっている。そして、その物語がまた別の誰かの物語に影響を与える。
「物語は人を繋ぐんだ」とウサギは言う。それはまるで、星座のよう。個々の星が線で繋がり、一つの形を成す。私たちの物語も、ひとつひとつが線で繋がり、大きな物語を形作る。
「じゃあさ、次はどんな物語を紡ごうか?」と私は尋ねる。
「それは、君次第さ」とウサギはニコッと笑う。それは、物語の可能性が無限であることを示している。私たちはその可能性を信じ、一歩一歩物語を紡いでいく。それが、この不思議なリレー小説の旅の醍醐味なのだろう。
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