サラは目を覚ました。彼女の部屋は、鮮やかな色で溢れていた。壁には抽象的な絵が描かれ、天井からはカラフルな風船がぶら下がっている。彼女は微笑みながら立ち上がり、窓を開ける。外は、虹のような光が街を照らしていた。
「今日は何が起こるかな?」サラはワクワクしながら思う。
彼女は外に出て、カラフルな街を歩き始める。街角には、不思議な形をしたオブジェがあり、通行人たちはそれを見て笑い合っていた。
サラはカフェに入り、注文したカフェラテには、彼女の顔が泡で描かれている。彼女は笑って、写真を撮る。
「これはインスタにアップしなきゃ!」
そこへ、彼女の友人であるエリックが現れた。
「サラ、ぼくと一緒に冒険に出かけないか?」エリックは興奮している。
「もちろん!」サラは応じる。「どこへ行くの?」
「想像の世界へ!」エリックは言い、二人は手を取り合って、未知の冒険へと飛び出した。
二人が来たのはイオンである。インフォメーションによると徳島のイオンらしい。
「徳島? はじめて聞くところ」サラが言う。
「うわああああああ」
エリックの叫び声がする。サラが振り返るとタコのモンスターが、その触手でエリックを掴み空へ持ち上げている。
「わお、なんてところ。徳島は化外の地ね」
サラはそう言うなりマグナムをかまえタコの触手を撃ち抜く。
「そんなマグナムが効かないなんて」
「タコには熱じゃよ」
サラの隣に頭が真っ白な老人が現れた。彼の背中にはボンベが背負われていて、小さな炎が先に出ている銃を持っている。
ぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!
老人がタコを焼く。触手がくるんとそりかえりタコの体が固まる。
「やれやれいきなり大変な目に遭った。そのじいさんは?」とエリック。
「俺はたこ焼き屋のマサ。といってもイオンに湧くタコを掃除するのが仕事で、たこ焼き屋は副業でな」
「とにかく助かったよ、ありがとう」
老人はエリックと握手をする。しかしなかなかその手を離そうとしない。
「そうだろうとも。俺はあんたの命の恩人だ。これからやってもらうことがある。当然だよなぁ?」
どうやらやっかいなことになりそうだ。
「もちろん、おじいさん。何でも言ってください!」エリックはやる気満々だった。
マサはにんまりと笑い、「このイオンには不思議な生き物がたくさんいるんだ。タコ以外にも、ね。これから君たちには、このイオンの平和を守ってもらう」と言った。
サラは目を輝かせて、「冒険が始まるわね!」と言う。二人はマサから特製のたこ焼き屋エプロンと、魔法のようなキッチンツールを受け取る。
たこ焼き屋の仮面をかぶったエリックとサラは、イオンを守るために出発した。彼らの前には、カラフルなゼリーのような生物や、空中を飛ぶ鳥型ロボットが現れる。二人は笑いながら、それらをたこ焼きの具に変えていく。
「これが俺たちの冒険か!」エリックは大笑いする。
「たこ焼きの具になったら、平和になるのよ!」サラは楽しそうに言う。
たこ焼き屋のヒーローたちは、イオンの平和を守り続けた。そして、その冒険は徐々に伝説となり、人々は彼らを「たこ焼きの守護神」と呼ぶようになった。
「ちょっとまって。これおかしくないか」
伝説になった二人だが、ふとエリックが疑問をもらす。
「巨大なタコもいいさ。ゼリーのような不思議生物もいいさ。だけどロボットまでタコ焼きにするってどういうことなんだ?」
「なに言ってるのエリック。ここではなんでもアリなのよ」
「やっぱりこわいな、想像の世界は」
「帰りたくなった?」
「良いニュースと悪いニュースがある」
「良いニュースって?」
「僕たちはこの世界で伝説だ。その伝説は永遠に不滅だ」
「悪いニュースは?」
「僕たちがもといた世界は消えてしまった」
「…‥‥どうでもよくない?」
「たしかに」
エリックとサラは、消えた世界のことを忘れ、新しい世界での生活を楽しむことにした。彼らの周りには常にカラフルな光が溢れ、毎日が冒険と驚きでいっぱいだった。
「ねえエリック、この世界では何でもできるんだから、私たちだけの街を作ろうよ!」サラが提案する。
「いいね!私たちだけの楽園を!」エリックは目を輝かせる。
二人は想像の力を使い、美しい海、輝くビーチ、カラフルな家々、そして不思議な生き物たちが住む街を作り上げた。彼らの街には、いつも笑い声が響いていた。
「たこ焼き屋の守護神」として、彼らは街の平和を守り、住人たちと楽しい時を過ごした。彼らの冒険は終わらない。
サラはエリックに言う。「ねえ、最初に会った時には想像もしなかったけど、私たちって最高のチームだね!」
エリックは笑って、「うん、サラとならどんな世界も楽しいよ!」と答える。
そして、二人は新たな世界で、永遠に続くハッピーな冒険を続けた。
(おわり)
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