season3の途中から、具体的には『法人税一〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇%』から無意識を書けないかいろいろ試している。はっきり言って出てくる文章はクズばかりで”使える”と思ったものはあまりない。考えてみれば無意識にある言葉は意識するほどでもないことや、意識したくないこと、使えない、必要ない、取るに足らないことであるから無意識に落ちているのであって、もし私が必要とするのならそれは意識に上がってくるはずだし、意識したくないこと、使いたくないことであるなら、おそらく私はその文字列を見たとしても意識に停めないはずだ。というわけで無意識を記述するのは面白い試みではあるけれど、執筆の助けになるかといえば全く関係ないと言わざるを得ない。

 とはいえだ。それでも無意識の探求はそれなりに面白いことではある。やはり私の無意識からは小説だとか創造だとか、そういったものに関連した言葉がよく出てくる。あとになって、そういえばと思い当たることもあったりして面白い。逆に考えると、そんなに私の無意識には意外性が広がっていないということでもある。無意識の説明でよく氷山のたとえが出るが、絶対に無意識の領域はあんなに広くはない。マンガだと意識が退くと無意識が覚醒して強くなることがあるが、それは未知に無限の可能性を期待しているだけで、実際は自分の影でしかない。つまり自分と同じ大きさをもち、角度がつけば影は大きくなるが色は薄くなる。質と量で見れば実体(意識)と等分の関係であるはずだ。

 な~んて遊んでいるのは小説が全然書けないからで、プロットは二週間前に書けているのだが、ノートに仮書きは始めていない。なんとなく筆が進まないのだ。たぶんseason3最後の小説にするぞ、と意気込んで、プロットの完成を一カ月延ばして、本当にseason最後の小説にふさわしいものになったぞ、と自負しているから書けないんだろうな。気負い過ぎている。season3からは時間をかけて小説を書こうと決めて、一年に一冊ぐらいのペースになるよう手間をかけているがそれがかえって執筆を重くしているのかもしれない。season3最初の『生存回路』なんて史上最速で書けたのに2年前からまた手が止まるようになった。これじゃあ牛のように書くのが遅い‥‥‥あ、牛の小説だった。うさの🐇小説に名前変えようかな。


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