今年の八月に徳島県のそごうが閉店するので、何階にあるかは忘れたが本屋に行った。去年はそこでガルシア・マルケスの『百年の孤独』の新潮社から出ている綺麗な装丁の本を買って、お気に入りの一冊になったので、給付金で10万円が転がり込んできたし、閉店セールで安く買えないかなとエロい心を抱きつつ『族長の秋』向かったわけだ。

 閉店セールはやっていたがコロナのせいか客足はまばらだった。閉店するぐらいだから元々客足は少ないが、エスカレーターに乗っていると一階上にいる赤ちゃんの「ばぶ」が聞こえるほど閑散としていた。本屋に行くと目当ての『族長の秋』どころか全てのガルシア・マルケスがなかった。一年も同じ品揃えなわけないかとこの時に気付いた。日本では再販制度で本のセールが存在しないことにも。

 でも、せっかくそごうまで来たのだから何か買って帰らないと損なので、本屋をうろうろしていると『老人と海』の新版を見つけた。表紙がとても綺麗なのでジャケ買いした。今までこんな表紙は見たことがないと思っていたが今年の7月に出たばかりの新版だそうだ。


 既に持っている本の新版という流れができたので『キャッチャー・イン・ザ・ライ』も買った。訳は村上春樹。装丁は・・・・シンプルだね!


 コロナがなければ記念に何か食べて帰りたかったけれど、外食するのも面倒になったので本だけ買って速攻で帰った。さらばそごう。もう会うこともあるまい。今までありがとう。おかげで良い本に出会えた。

(おわり)