今回は仮書きを毎日推敲して、次の日はまた一から書き直している。賽の河原だ。この書き方だと長編はもちろん短編でさえ書き切ることは不可能なので、一章ごと(原稿用紙10枚ぐらい)に書くことにした。
一章はtake10。つまり10回書き直してからwordに打ち込んだ。約4000字。最初はプロットを書いていた期間もあるので、この先数字が増えることもあるだろうが、プロットを書き始めてからここまで来るのに延べ平均70字/日だと分かった。遅い遅いと思っていた『流星を打ち砕け』でさえ800字/日はあったからとんでもない遅さだ。
推敲はまず一通り書き終えてからやるべきと色んな作家が言っている。まったくその通りで、毎日推敲していると小説を書き進める力が明らかに弱くなったのを感じる。『生存回路』から書けなかった日は一日もなかったが、今回は三年ぶりに書けない状態を味わっている。
一文字も書けなかった日の夜なんかは、小説一冊を書くのに、こんなに手間と時間をかけて良いのだろうか。とんでもない浪費をしているのではないかという疑問が湧く時がある。それでもまた一から書き直して推敲する。推敲すればしただけ良くなっているような気がする。疲れで背中にべったりと暗い重力が張り付いていても、そこだけはみずみずしい手応えを必ず感じられる。
season3の執筆はとことんやるがテーマだ。得るものが労力に見合わなくても、やると決めたのだから、やれるところまではやってみるつもりだ。
(おわり)
(おわり)
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