今週はインフルエンザでずっとひきこもっていた。その間、ひげを剃らなかったので野生動物みたいな顔になった。すっかり野蛮になっただろう、と猫にひげを見せると、失礼しちゃうわ、とぷいっと背中を向けてしまった。猫はメスだってヒゲが生えているし、顔も毛むくじゃらだ。毛は剃った方がモテるのか、伸びている方がモテるのか気になるところだが、野良につるつるてんがいないところからして野性味あふれる方が自然界ではモテるのだろう。それなら人間だって毛むくじゃらの方がモテたっていいはずだが顔に毛があることは大変不評だ。ひげを伸ばして減給された地下鉄の運転手がいるぐらいだ。ただし髪の毛だけはフサフサが好ましく、つるつるてんだと好ましくない評価を受ける。まったく理不尽である。
198501 ひげとねこ
五日間ずっと布団で寝ていた。といっても120時間ぐうぐう眠れるはずがなく半分以上は起きていた。山桜のことをずっと考えていて、今まで通りに書くのがラクで完成度も高くできることは間違いないけれど、やっぱり苦しくても新しい小説を書くべきだと決心した。今週は手を付けないつもりでいたから、ずいぶん気前よく決断したようだ。どうせそれを仕上げるのは来週の自分だもんな。でも本当に凄い小説になるような気がする。

それにしても、一週間ぐらい冷却期間を置いた方が良いんじゃないかと思っていた矢先にインフルエンザにかかってしまった。ヘミングウェイみたいに一年寝かせたら・・・・・・なんてことが頭によぎっていたら、今頃どうなっていたんだろう?

(おわり)