”「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの”

俵万智の『サラダ記念日』に収録されている詩である。先日その俵万智が世界一受けたい授業に出ていて、この句がVTRで解説されていた。

恋人二人が部屋でカンチューハイを一本ずつ飲んでいる時に「嫁さんになれよ」と彼氏に言われた彼女がカンチューハイを飲んでいる時にいう言葉じゃないと不満に思っているというドラマだったので、とてもびっくりした。

今までカンチューハイを二本飲んだ男が酔いに任せて「嫁さんになれよ」と言う。それを聞いた女がカンチューハイ二本程度の酔いなら、本気の言葉として受け止めるけどホンマにええんか? みたいに、男は本気で言ってないし、女も本気で受け止める気はないという風に読んでいたからだ。

それでもう一度読み直してみると、そう読めないこともないと思ったが、作品全体の雰囲気からすると結婚なんてする雰囲気が全然感じられないから、やっぱり男も女も本気(マジ)じゃないと思う。でも、同じ言葉を読んでいても、色んな解釈ができるんだとすごく感心した出来事だった。

サラダ記念日 (河出文庫)
俵万智
河出書房新社
2013-02-15





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