メロスはまっぱだかー
メロスは激怒した。
太宰治が書いた走れメロスの有名な冒頭の一文。さて、彼は何故怒っていたのでしょう?
次はこう続きます。
必ず、かの邪知暴虐の王を除かなければならぬと決意した。
何故彼がそれを決意したのかが後の文で語られます。要は人を信じられなくなった王様が疑心暗鬼におちいって下々の人達を処刑していくという話を聞いてメロスは怒っていたわけです。
それからすったもんだがあって王様が再び人を信じられるようになるというのがこのお話し。まあ、短いし青空文庫でもあるので、こんな駄文は無視してそっちを読んだ方がよっぽどためになります。
さて、それでは最後の一文はどんな言葉か知っていますか?
きっと覚えていないでしょう。答えは
勇者は、ひどく赤面した。
勇者とはメロスのことです。何故赤面したのでしょう?
その前の文にはこうあります。
その前の文にはこうあります。
ひとりの少女が緋のマントをメロスに捧げた。メロスは、まごついた。佳き友は気をきかせてやった。
「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、メロスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」
・・・・・・
つまりメロスはまっぱだかになっても、親友セリヌンティウスを助けるために必死で走ってきたというわけです。そして、可愛い娘さんの前でまっぱだかだと気付いた恥ずかしさで赤面します。
それでは彼はいつからまっぱだかになったのでしょうか?
全裸≠ほとんど全裸体
セリヌンティウス「メロス、君は、まっぱだかじゃないか」
『走れメロス』の山場、メロスが親友セリヌンティウスを救うために、町へ戻る日になった。妹の結婚式が終わった次の日の朝だ。
この時服装についての描写はないが、まさか裸一貫で村を出たはずはない。その理由は後にちゃんと分かります。
さて、その次です。メロスが川に着くと、前日に降った大雨で川は氾濫、橋が流されていました。またあまりの急流に舟も流されて、渡りもつけられない状態。
川の流れをゼウスの神に祈るが、川は荒れ狂うばかり。メロスはついに異常な決心をする。
彼はざぶんと川に身を投げて荒れ狂う濁流を泳いでいきました。
運良く川を泳ぎきったメロスだが、今度は山賊の一隊に遭遇する。
その時にこんなやりとりがある。
「どっこい放さぬ。持ち物全部を置いて行け。」
「私には命のほかには何も無い。そのたった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」
命のほかには何も無い。はて、川の濁流に揉まれてこの時すでにメロスは真っ裸だったのでしょうか?
いいえ、違います。彼が盗賊の手を逃れて、町へ戻る直前にはこんな文章があります。
風体なんかは、どうでもいい。メロスは、いまは、ほとんど全裸体であった。
全裸≠ほとんど全裸体
つまりこの時はまだ最低でもパンツ一丁だったわけです。
このあとセリヌンティウスの処刑場にすぐそばまで到着しましたが、走り続けて声の出なかったメロスは群衆の中を濁流を渡るように掻き分け、掻き分け。そして、王の前へ戻ってきました。王の予想を裏切って約束を果たしたのです。
ここから場面の転換は無いので、この時に真っ裸になったものと思われる。まさかセリヌンティウスがメロスを殴ったときではないだろう。感動が台無しである。
結論1。メロスがマッパになったのは群衆を掻き分けて処刑場に着いた時である。
結論2。こんな下らないことを調べながら読んでも、メロスとセリヌンティウスが殴りあうところで泣きそうになった。やっぱり後世に残る名作は凄い。太宰凄い。










