蒲生田岬の改稿が終わったので、次は火星の改稿に取り掛かろうとしていたが、どうも気力が出てこないので、しばらく原稿と向き合うのはお休みにした。考えてみれば半年以上書くか改稿していたわけで、そりゃあどうりで疲れるはずだ。

 例のごとく高松の宮脇書店本店まで車を走らせた。執筆が終わると、毎回ここへ行くことにしている。
 売り場面積日本一という記憶がずっとあったが、最近はどうもその印象が薄い。それで調べてみるといつのまにか日本一ではなくなっていたので驚いた。サイトによって結果は違うが、現在は池袋にあるジュンク堂が一番大きいという意見が多い。宮脇書店が一位ではないのはどこも共通している。本屋の売り場面積は1972年からずっと増加し続けていたので、いつまでも日本一の座にはいられなかったようだ。諸行無常。それでもまだ四国の中では一番大きいとは思うけどね。
書店数とその坪数推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)

 ちなみに売り場面積ではなく、蔵書数ではMARUZEN&ジュンク堂書店(梅田店)が一番だそうだ。MARUZEN&ジュンク堂書店(梅田店)/Google画像検索←こういうのを見ると、うわぁ、行ってみたいなぁと思ってしまう。徳島にもできないかな。ジュンク堂自体がないけど・・・・(四国にもないあった)。

過去に日本一だった宮脇書店に行くと、たいていは一階から回るのだが、今回は二階にあるアートの棚へまっすぐ向かった。すると、今の私にどんぴしゃりな本が表紙を前に向けて、デ〜ンと廊下側に立てられているではないか! そりゃもう速攻で手に取った。

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 この本によると、絵を描くのが上手くなれば、上手い絵を描くようになるので、いつまで経っても絵を描くことは楽にならない、覚悟しておけ。的なことを書いてあった。なるほど。小説だっていつまで経っても楽には書けない。それと同じこと・・・・ってことは、今より10倍腕が上がっても今の10倍量書けるわけではないということか。むむむ、、、、

 上達のステップについても解説していた。初心者の絵は情報量が少なくて、中級者は描き込み過ぎて、上級者は必要な物を取捨選択して描けるようになるらしい。これもやっぱり小説と同じで、蒲生田岬の改稿をしていたからよく分かる。当時はくどいと言われても分からなかったが、今読んでみるとかなり無駄な言葉が多かった。たぶん『幽霊になった私』でも2年後にはもっと削れるかもしれない。しかし、俳句級のキレた文章で小説を書ける人なんているのかな。そこまでいくと神業になる。でも、夏目先生も元々は俳句をやっていたんだよな。だから最初から猫を書けたのかもしれない。
 とにかくあまりに心に染みこんでくる内容なのでこの本は絶対に買うことにした。

 それと、買わなかったけれど、アートの棚にイラストレーター150人を紹介した本があった。


 

 目次にゴトーヒナコの文字があったので、もしかしてとページをめくると


 な、なんと、この本の表紙に使われている絵がデデ〜ンと載っているではないか!
 ページ下部に、キンドル本「妄想する子供たち/広橋悠」なんて書いてあるので、ふほっ、と声が出そうになると同時に、世間って狭いなぁとも思った。最近意外な場所で知っている人の名前を見かける。

 この本は去年KDP界隈で話題になった。レビューもいくつかある。

1.KDP三大奇書『妄想する子供たち』についての反響/togetter
2.KDP本をレビューしてみた「妄想する子供たち」/初瀬明生の創作部屋~Making Story~
3.【小雪の読者メモ no.1】『妄想する子供たち/広橋悠』~無限に繰り返される幻、この夢は美しすぎるのか/牛野小雪の愚者空間

補記:KDP三大奇書のもう一冊は月狂四郎さんの『狂狂まわる


 服のシワの描き方だけを解説した本とか、吹っ飛んでいる女の子の描き方を解説した本とか、色々あったけれど、とりあえずは基礎的なところだけを抑えることにした。この本によると、絵描きには色んなタイプがあって、タイプ別に色んな鍛錬方法があったが、どのタイプにしろ必ずクロッキーをやれと書いてある。
 とにかく最初は、小学生が漢字の書き取りで何度も同じ漢字を書くように、物の形を腕に覚えさせることが肝心らしい。それと写真を見て描くのではなく、実物を見て描けとも書いてあった。”写真を捨てよ、街に出よ”ってこと。でも恥ずかしくてそんなことできないよなぁ。スケッチブック持って写生している人なんて見たことない(油絵はあるけど)。もしかして絵画教室はそういう人のためにあるのかなぁと考えていた。


余談:徳島にも絵画教室はあるっぽいけど、教室のブログを見てみると一般コースでも高校生ばっかりだったから、そっとタブを閉じた。


 ついでにこんな本も買った。文庫本なのに1,600円もする。こっちは立ち読みしても意味がさっぱり分からなかったが一応買っておいた。この本は特別だと思うが、最近文庫本も地味に値段が上がっているような気がするのは気のせいだろうか。(そういえば物価は上がっているってニュースでやっていたような気がする)
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 ジャケ買いならぬ表紙買いしたのはこの本。

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カバー全体がイラストになっていて、広げるとこうなっている。

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 イラストのタイトルは100%ORANGE。BANANAではない。ちゃんとそう書いてある。なぜオレンジなのかは不明。これがアートの精神なのか? 

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それとこの前根木珠さんが読んだとブログに書いていた本を見つけた。こういうことがあるから、やっぱり読んだ本は何かしらブログに書いておいたほうがいいのかな。4月は何を読んだか忘れてしまったけど・・・・。

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 早川文庫って良い表紙を作っている気がする(特にSF)。『華氏451度』の表紙もジャケ買いした記憶がある。見ているだけでも参考になるけど真似は出来ないなぁ。こういうのを作れるようになれると良いんだけど。


(2016年5月15日 牛野小雪 記) 


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余談:立ち読みした本で”満月のように弓を引き絞った ”という文章がとても綺麗だったので、ずっと頭に残っている。何という本かは覚えていない。どこかの武者がお互いに弓を射合って、両者ともに腕が互角だったので、意気投合して無二の親友になったという落ちは覚えている。