1.アーモンドの花

もともとはこれを書くだけの予定だった。原案は原稿用紙10枚。それほど期待してはいなかったのだが、わりといい出来だったので、もっと書いてみようと思った。うん、4つの中では一番良いんじゃないかな。評価する人がいるとすれば、たぶんこれか『ベンツを燃やせ』かのどちらかだろう。

 



2.マリッジブルー

これはなかなかの作品。書いている途中で止まらなくなった。

気が変わらなければ、設定と舞台を替えて別の作品で書くだろう。メモを取ってあるが、なかなかの物になる予定。今書いている物が詰まったら、こっちを先に書こうかな?

放っておくと終わりそうになかったので、他とのバランスを取り、頑張って終わらせた。書いたあとでもまだ余韻が残っているのはこれ。

 



3.猫と妻の思い出

サスペンスっぽい。純粋なサスペンスではないが、うん、ドアノッカーとか蒲生田岬に雰囲気は似ている。ああいう話をまた書けるだろうか。ちょっと自信がなくなってきた。別にサスペンスと読まなくてもいいようには書いてある。完成度は一番高い。逆に言えばここから発展させられる手応えは感じられなかった。

 



4.ベンツを燃やせ

誰かがこの短編集を評価するなら『アーモンドの花』かこれだろう。実は今書いているのはこれに近い雰囲気だ。もっともベンツを燃やしたりはしないが。

上記三つは今まで書いてきたもの。最後のひとつはジョーカーとして書いてみた。

小説に数値を付けるとしたなら、攻撃力特化、防御力はスカスカという物。あまり細かいところに突っ込んではいけない。この手の小説は勢いで読む物なのだから。

“てめえふざけたもの書いてんじゃねぇ!”なんて怒られなければいいが……。

でも何回も読み直した。読み直せる物だった。意外に受けるのではという希望的観測。





以前の版の『長い寄り道』は廃版になり、他の短編と一緒に『長い寄り道』に収録されました。