おぼろげな記憶では王子がドラゴンを倒して、姫にキスをすると彼女が目覚めるという話だった。
当初、『眠り姫』と思っていたのでなかなか見つけることができなかった。司書の人にあれこれ説明してから『眠れる森の美女』という題だと教えてもらう。
私はまずガリバーになった気持ちで童話の棚へ行き、そこから絵本を抜き取ってくると、哲学の棚の近くにある席で『眠れる森の美女』を読んだ。多少違うところもあったが最後にキスをして姫が目覚めるというのは記憶通りだった。
さて、次に原作の方を読んでみると、王子は出てくるけれど扱いはちんけな物だった。藪の中(バラだったかな?)にある城を見つけると、そこへ入っていくだけ。冒険らしい冒険も無し。ついでに言うとドラゴンは出てこないし、キスも無し。王子が姫の眠っている部屋までいくと、ちょうどその時に100年の呪いが解けて姫が目覚めるという話だった。
最後に教訓的な物があって、あなたの王子様が現れるまでは静かに眠るようにじっと待っていなさい。そういうことができる人は最近いないけど、とあった。三年寝太郎の逆バージョンみたいなものかな。
そういえば何故西洋のおとぎ話では王子様なのだろうと、今これを書いている時に思った。別に王子さまでなくてもいいが、恋の相手は権力者の息子と決まっている。
日本だと権力者とダイレクトに繋がる話が多いし、その時はまだでも話の途中で権力者になるパターンが多い気がする。気がするというのは調べていないから。案外日本でも同じなのかな。
真論君家の猫でピグマリオンの話が結局どうなるのかは分からないと書いていた。何せ本当に分からないのだから仕方がない。だが、ついに後日譚まで書いた本を偶然見つけた。聞いたこともない出版社(正確にはある協会が出している本。自費出版だろうか。それにしては装丁が豪華だった。いや、そういう儲けを度外視したところが却って自費出版っぽいのかな。正直いうと文章がかなり古くて読みづらかった。)によると、ピグマリオンと彫刻から人間になったガラテアは結婚して子供を儲けた。その子供は神の加護によりキプロスの王となった。ざっと書くとこんな結末で、結局ピグマリオンとガラテアが幸せに暮らしたかどうかは明言されていなかったので、ほっとしたのを覚えている。




シャリルエブドの風刺画みたいにフランス人はきつい毒を入れないと気が済まないのでしょうか。
そういえば姫は100年間は夢の中で暮らしていたのだから、中身はばあさんですね。
眠りに入ったのを16歳とすると実年齢はなんと116歳! これは怖い。
でも年上女房だから上手く転がしてくれるかもしれません。
私もそういうお姫様がほしい。
牛野小雪より