去年、聖者の行進を出してからもうじき一年になる。それから全作改稿して、群像にも出して、それからプロットを作り始めて2ヶ月が過ぎた。ノートを書き始めてからだと今までで一番長く時間をかけている。難産というよりは輪廻転生を何度も繰り返している感じで、今月生まれたプロットもリセットすることにした。
一体何をやっているんだろうという気分になるし、実は小説を書くことを拒否しているのではないかということも考えてしまうのだが、これはもう私には書けない小説だと諦めて、別の小説を書こうとしていた時のプロットが合流してくると、こうなるために迷ってきたのだと運命めいた物を感じた。これはイケる! という確信にも襲われたものだ。しかもちょうど時期を同じくしてゲーテの本を読んでいるとこういう文章に遭遇した。
私の人生と芸術のなかで、自分自身の道と、他人の道とを厳密に吟味してみると、明らかに誤った努力といえるものが当事者にとって目標に辿りつくための決して避けて通れない回り道であることが分かりました。
うわぁ、まさにこれだよ。ゲーテさん、あんたは分かってる。きっと大作家になれるよ! とドイツの大作家を賞賛した。こういう出会いがあると小説の神様はいるんじゃないかって気がする。でも神様がいるのなら、もっとズバッと知恵を授けてくれたってバチは当たらないんじゃないかとも思う。そうすれば二ヶ月もプロットを書き回さなくても済んだのに。そう考えると実は小説の神様じゃなくて小説の悪魔に魅入られているのかもしれない。何も無いところを予感に突き動かされてぐるぐる回されているのだ。
でもメフィストフェレスだって城や魔界の手下をくれたのだから、牛野小雪にだって人里離れた静かな別荘と、世俗のことを処理してくれる秘書をくれたって良いはずだ。って、そんな俗なことを考えているから悪魔さえ現れてくれないのだろう。堕落させる価値もない魂だ。となると、やっぱり私についているのは小説の神様でしかありえない。きっと凄いのが書けるぞ。
(2018年10月28日 牛野小雪 記)

一体何をやっているんだろうという気分になるし、実は小説を書くことを拒否しているのではないかということも考えてしまうのだが、これはもう私には書けない小説だと諦めて、別の小説を書こうとしていた時のプロットが合流してくると、こうなるために迷ってきたのだと運命めいた物を感じた。これはイケる! という確信にも襲われたものだ。しかもちょうど時期を同じくしてゲーテの本を読んでいるとこういう文章に遭遇した。
私の人生と芸術のなかで、自分自身の道と、他人の道とを厳密に吟味してみると、明らかに誤った努力といえるものが当事者にとって目標に辿りつくための決して避けて通れない回り道であることが分かりました。
うわぁ、まさにこれだよ。ゲーテさん、あんたは分かってる。きっと大作家になれるよ! とドイツの大作家を賞賛した。こういう出会いがあると小説の神様はいるんじゃないかって気がする。でも神様がいるのなら、もっとズバッと知恵を授けてくれたってバチは当たらないんじゃないかとも思う。そうすれば二ヶ月もプロットを書き回さなくても済んだのに。そう考えると実は小説の神様じゃなくて小説の悪魔に魅入られているのかもしれない。何も無いところを予感に突き動かされてぐるぐる回されているのだ。
でもメフィストフェレスだって城や魔界の手下をくれたのだから、牛野小雪にだって人里離れた静かな別荘と、世俗のことを処理してくれる秘書をくれたって良いはずだ。って、そんな俗なことを考えているから悪魔さえ現れてくれないのだろう。堕落させる価値もない魂だ。となると、やっぱり私についているのは小説の神様でしかありえない。きっと凄いのが書けるぞ。
(2018年10月28日 牛野小雪 記)



